田舎の友人から電話があった。「今年帰ってくるんだべ?」

 俺が今年帰るという情報をどこかから聞きつけての電話をわざわざかけてきてくれたようだ。「気をつけて帰って来いよ。」そんな言葉を彼の口からまさか聞くとは思わなかった。
 防波堤でつるんで煙草をすって、酒を飲んでなんていう昔からは想像もつかない言葉だ。


 やはり時間は流れているのだなと、俺の日常時間と、彼の日常時間は一切変わらないのだなと、自分の変な考えなどとは一切の関係も無く僕らの時間は平行しているんだな。