たまに自分があまりにも酷い人間なのではないのかと疑う。

 人の優しさ。それ自体本人が気付いているのかどうかは知らないし、その事に対してある意味で策略的に行っているのかも解からない。が、そういったものを不意に観てしまうと、どうも自分があくどい人間なのではないのかと疑ってしまう。いや、そう思ってしまう。
 自己の利己にのみ行動して、人のためとか、優しくとかいった事をいつもないがしろにして行動しているのではないだろうかと。
 今更悔いを改めよなんて事を言われてもどうしようもないし、改めるつもりもさらさら無いのだが、それでいいのか自分とついつい思ってしまう。


 その根本にあるかどうかは解からないが、よく深夜の労働に出向く際に新宿の街角に溢れる人々を見ると「現実にこのくらいの残虐さが無ければ張りが無い。」などと訳の解からない自己啓発をしてしまう。

 いや、そもそもそんな事はどうでもいいのかもしれない。


 僕と同じ年頃の社会人とか、会社の正社員の人とかの眼には僕は一体どう見えるのだろうと不意に初給与と言う言葉を聞いて思う春雨の日。