僕は別にこの世界が嫌いな訳ではない。いやむしろ、好きなのかもしれない。だから離れられず、こうやって過ごしているのかもしれない。けど、それほど近づこうともしていない。それはとても恐ろしいことの様に思えてならないから。

 もし、僕の目に映るもののみが世界だと仮定したら実に狭く息苦しいものになってしまうだろう。だけど、僕の見てきた以上に世界は広くて果てしないもので、それでいて手に届く距離にあるのかもしれない。

 足早にすぎていく季節に情緒を感じて、近づいてくる時間に期待を抱いて、それでいて不安で。


 僕はこの世界に興味がある。