平静を保ちながら写真を続けていく事は大変困難を極める事だと思う。特にこれといった評価も得ず、アルバイトをしながら続けている状態はその骨頂だろうと思う。というか、私がそうだ。
 そんな中で、「写真作家でして。」などと言い続ける事にもの凄い後ろめたさを覚える上に、「本当にそうなのか?」と言った瞬間に自問してしまう。

 いや、まあそんな大それたものになりたい訳でもないし、むしろ永遠のサンデーフォトグラファーでもかまわないと思っている。思っているが、どこかそれは避けたたい。むしろもっと大それたものに!という野心も片隅でフツフツ煮えたぎっているのを感じる。感じるからこそ不安になり焦りを感じてしまう。
 撮影が忙しくそれに向かう為の労働や準備をしている時はそれほど感じないが、製作し、発表するぞとなった時に急にやってくる。この恐怖にも似た感覚は何なのだろう。とても不安になる。
 出来る事を尽くしてもそれは消えず、絶えずふとした瞬間に襲ってくる。とても厄介だ。