ここ数日の曇り空を払拭する勢いの晴天。そんな陽気を逃すものかと私も含めて多摩川ニスト達はバーベキューを繰り広げていた。(私も明日はBBQ)

 溢れ変える人の中でやるBBQもまた乙なものなのかもしれないが、私はどちらかというと閑散とした中ひっそりと少年野球などを眺めながら少人数でぐったり過ごすのが好きかな〜なんて恐ろしい音でJpopを流しながら繰り広げられているBBQを流し見ながら上流へと歩いていく。
 その道すがら自転車に乗りながらもあえて手をつなぐというアクロバティック破廉恥を見せつけられて思わず闇雲にシャッターを切ったのは心の情動で、求めているからだろう。


 いつもいつも気になる河川敷菜園。今日は満を持してその一人に声をかけてみる。
 30年前から続いているこの地帯はかろうじて国土交通省のお達しも免れている場所で、こまごまと区分けされた中30名以上の人達がここを耕し、またもこまごまと色々なものを植えているそうだ。定年を過ぎ「やる事が無いって言うのは辛い事だ。」「体を動かさないと駄目だ。悪くなるのは早いが、良くするのには時間がかかる。」なんて言っている老人はこの菜園を唯一のよりどころというよりも、新たな体の所在として精を出していた。
 30年も前の大洪水の事やそれに伴う護岸工事のその後の対応などを話してくれた。元は営業マンで、何やら写真関係にも一枚噛んでいられた様で秋山庄太郎の事などを話してくれた。

 思うに老人はもの凄く話したがりやな気がしてならない。そんなに話す相手がいないのだろうかと思ってしまうほどに私の相槌は意味を持っていく気がしてならない。


 夕日を見たいと、撮りたいと思っていって今日。大きな雲が太陽を覆い、その切れ間から恐ろしいほどにこぼれる光線があからさまなドラマチックを演出していた。別に今日はドラマチックじゃないのにそんな事をされたら今日が特別な今日に思えてしまうじゃないか太陽さん。