私がどうして子供の頃に仮面ライダーをかっこいいと思ったのか。それは「かっこいいから」だろう。
 私はブラックRX世代であるが、正直正確には覚えていない。何やら剣を振り回し赤い車に乗っていた事くらいしか覚えていない。いや、覚えていない。記憶に残っているのは私が幼い頃に使っていたマクラカバーに描かれていたのがそんな柄だったからだ。

 そんな訳で仮面ライダーWも最終回を迎えた。


 平成ライダー10年を越え新たな一歩を踏み出したWは「かっこいいから」という私の昔の思いを回帰させてくれた。
 いや、格好良過ぎた。キザと言う言葉が似合いすぎる翔太郎の言動にはカンフー映画を見た直後の少年の様な気持ちにさせられ、フィリップには何故か激しく萌えた。この二人の演技演技した演技にはかっこいいとは何か?が詰まっていた。

 そして、一番私を燃えさせたのが照井竜だ。「俺に質問するな」というクールな事を言っておきながら感情的になる様は私の心を鷲掴みにしてワッシャーーーッッ!!と放り投げられる様な思いで濡れた。特に「俺の心の叫びまで検索出来るのか!」というパッション溢れる発言には胸躍る思いで失禁寸前であった。
 これが後のツンモエである。

 最後に欠かせないのは亜樹子の存在だ。彼女のおかげで「このドラマはギャグです。実在の個人や団体とは関係ありません。」といったロジックが出来上がり見事なエンターテインメントに仕上がった。
 当初散々叩かれていた彼女も中盤からそんなのどうでも良いよ!彼女が居なけりゃ成立しないんだ!このグダグダ感が最高なんだ!といった謎の思考に変化していったのは否定出来ない。


 ぬるま湯探偵物語、たまにはびしっと決めちゃいますよ。的な物語だと思わせて俺を半泣きにさせておきながらエンドレスストーリーな終わりにはいささか憤慨したけれど、これがWだよなと納得させられた。


 映画見に行きたい!!!