2011年11月7日福島県いわき市平(いわき駅前夜明け市場/写真左:取締役 松本さん 右:代表取締役 鈴木さん)

 11月の福島行最終日前日、私は拠点としているいわき市に戻った。数日前にいわき駅前の白銀小路に何やら面白い飲屋街がオープンしたと知ったので足を運んでみた。

 そこには酒飲みを誘う赤提灯と寂れた小路があった。開いている店は少なく懐かしいスナックと真新しい店舗が数軒あるくらいだったが、何やら雰囲気は良かった。

 「夜明け市場」と銘打たれたその場所はいわき市四倉出身の青年が始めた復興事業だ。若干29歳にして東京でイベント会社を運営していると言う彼は、先日のオープンの忙しさから解放されてか、お客さんに混じって「夜明けハイボール(トマトのウィスキー割)」を呑んでいた。
 笑顔で、それでいて真摯に自身が何故こういった復興事業をしようと思ったのかを語ってくれた。

 実家の製氷会社が津波による被害により事業がうまく行かなくなり、自身の会社で取り扱う様になったが、福島だからという理由で取引がうまくいかなかった事や、自身が東京で経営をしている飲食店で扱っている福島産の食品に対する激しい問い合わせなど、皮膚感覚で感じる憤りと、それでも何とか地元に貢献したいという思いから行った、埼玉でのイベントでマグロのかまが完売したという希望からこの事業を始めようと思ったそうだ。

 地元をどうにか盛り上げたい。若い人達がそれぞれに集まって色々な繋がりを持てる場を作りたい。そういった思いを話してくれているや先に、日曜にも関わらずお客さんがみるみる増えていったのは印象的だった。

 私の行った11月はプレオープンという事もあって二店舗しか新規オープンはしていなかったが、12月には10店舗程増えるという予告通りHPには記載店舗が増えていたので、またいきたいと思う。そして、何よりこのこの小路の魅力は様々な店舗で買った食べ物を外のテーブルで自由に食べられるという事だ。
 様々な人とコミュニケーションをとれ、尚かつ色んな味を楽しめる。いわき市へ行ったら行ってみるのも一興かと思います。

 後、夜明け市場では震災により営業が出来なくなった店舗を受け入れている。いわき駅前の一等地に格安で店を構えられるそうだ。詳しくはHP(http://www.touhoku-yoake.jp/)をご覧ください。


 注:話しを聞いている時は酒が入っていたので若干事実と違う所があるかもしれませんが、ご容赦を。