晴れ、秋のはじまり感じる様な気候に足取りが軽くなる。吹く風の心地良さや茂る草木の香りはやはり多摩川であるという思いを懐かしさと共に感じる。久しぶりに稲田堤にきた。

 昨日の雨で流されてきた流木や小さな枝が水の流れを想像させる。しばらく歩いていると自転車を押しながらカゴに犬を搭載したおじいさんが歩いてくるのが見えた。久しぶりに多摩川で人を撮るなあと思いながら声をかけてみた。
 奥さんが重い病にかかった事を切っ掛けに仕事を辞めたのは68歳の時だったそうだ、自動車の整備工場では何かと大変だったが仕事が好きだったのだろう。犬をカゴに搭載している理由は家に戻ってから足を洗うのが面倒だからだそうだ。

 和泉多摩川はバーベキュー禁止になっていた。メッカであり、私も一度バーベキューをした事のがあるので何だか寂しいものだが、対岸の登戸ではまだ盛んに行われている。
 あの娘に会えるかもしれないという淡い希望を胸に以前歩いた6本松の当りを歩いてみても、その淡い希望はあっさりと風に吹かれて飛んでいってしまった。
 はたして彼女は学校に受かったのだろうか?