以前撮影させてもらった老人に何故か家の近くで再会した。

 彼は凧揚げを趣味とする鼻に酸素を送る様な器具をつけている老人だ。彼は趣味である凧揚げが出来ないと嘆いていた。それは地理的条件もあるが、その周りの人間の反応にも理由があると言う。


 まず地理的条件だが、強い風が吹かなくては話にならない。おまけに広大かつ何も無いところ。こうなると場所は絞られ、川原か、海の近くの公園になってきてしまう。
 その限られた場所においても、障害が生じる。人間である。餓鬼ドモは彼を理由も無しに罵り、小ばかにした態度をとる。親子は彼のタコを子供が悪戯しているにもかかわらず注意はおろか、彼に対して文句を言う始末。
 もちろんこういった人たちは限られた人たちであることは承知だ。しかし、そういった少数の人が個人に与える印象と言うものは膨大かつ、脅威だ。

 彼が凧揚げを趣味とする経緯を知っている自分としては、そういった人たちの行為がとても腹立たしい。


 彼は自分が老人でこういった格好をしているから馬鹿にしているのではないのか?と言った。
 
 
 それは確かにあるかもしれないが、それだけの理由でそういった行動をとる人間を自分は馬鹿だなぁと思う。本当にあきれるものだ。


 彼に再会出来た事を感謝する。