本当に久しぶりに渋谷の町を歩いた。

 町は結構変わっていて中々新鮮であった。前有ったビルは駐車場へ変わり、そこには無数の鉄の塊にタイヤがついたモノが溢れていた。
 その、鉄の塊を理由も無く撮影してみた。

 「写真はやめてください!」

 何か怒られた。そして、止められて写真を消してくださいと言われた。消してくださいも何もこっちはフィルムカメラです。消すと言うのであれば感光させる外ありません。でも、その前に色々撮ってるのでそれは出来ないと言いまくり、訳の解からないことを言ってくるので、

 
 「じゃあ、壁作れよ。」「そんな広告の前に忠告文でかでかと掲げろよ。」「金よこせよ。」

 散々言ったら偉いところに電話した後開放された。

 要所要所で俺の気に食わない単語が発せられた。

 「ここは電通が経営してるので」

A:意味が解からない。チラシ屋風情が何を言おうか。どこぞの土地持ちが経営してるところと変わるまいて。

 「芸能人もよく利用するので」

A:俺テレビ見ません。ましてや芸能人であればプライバシーもクソも無かろうて。

 「コレが今の社会のルールなので」

A:ただただ笑える。ルールを提示しないでいきなり怒鳴るのが今のルールであるのであれば、俺も黙って写真を撮らせてもらえるのではないのか。



 どんどん窮屈になっていく社会の中で写真家はどの様に作品を制作していけばいいのだろうか?僕達はこんなにも狭苦しい世界にこそこそと生きなくてはいけないのだろうか。車を撮るよりうんこを撮った方がよっぽどプライバシーがばれそうな気がする。昨日の飯、形状、色、場所。車より特定できそうな気がする。