僕が何がしたいか、その前に貴方が何をしたいか。そうなってくると是が非でも自己の理想や欲望に固執してしまうのはしょうがない事で、避けられない事実以上の事実。
 僕らの持っているであろう理想以上に人間は醜く貪欲な生き物なのだ。

 セックスがしたい、飯が食いたい、十分な睡眠が欲しい、狭いとこじゃ動けない、そんな根本的な願いすらも抑圧されたこの世の中で僕らはどうやって立ち回るのかばかりに頭を立ち回らせる毎日にうんざりしている。
 そのはけ口のにはやはり金で、それをどう工面するかという事にすら頭を回す。その永続的回転に悩む頭は抑制され、去勢され、人間的と言う言葉に押し込められて自分が人間という動物的なものからかけ離れたものへと変貌を遂げていく。

 その無意識から解き放とうという思考すらも忘れ、僕らは理性という虚勢にばかり固執し、戦争を拒み否定し、それをあたかも虚実の如くスクリーンに映して見て飯食って生きている。


 そういった僕の思想こそが不の永続的回転の中に培われつつある無意識の認識なのかもしれない。