作品を他人に見せた時、「これ良いねぇ」だの「この写真が入るとまた違って見える。」だのと言われる。言われるのだが正直自分にはいまいちピンとこない。

 「いや、別にそこまで良いとは思ってなくて、どちらかというとこっちの方が」「え?そうっすか?」

 みたいな感じになってしまう。


 まだ自分の写真が自分の元から離れておらず、手の内にある今は客観的に観れていないという事なのだろう。なんだか、写真だけが独り歩きを始めて、僕は置いてけぼりを食っている様な、そんな感じだ。僕はその写真たちに追いつけるのだろうか。追いつくべきなのだろうか。

 得てして、作品というものは自分の手元を離れてやっと進化を見るのだろう。いつまでも過保護に暖めているのでは何も始まらず、お互い歩き出す余地すら与えられないのかもしれない。