インドを移動する際ほぼ確実に列車にて移動する。その際良く荷物を盗まれたなどトラブルに会う確率が高いと言われているし、実際そうした事も多いのだろうが、何故だか私はあまりそういった事が無い。それはきっと私の荷物が重すぎるという事と、周りの人間と極力親しくする様に心がけているからかもしれない。

 という事で今回の移動は実に有意義なものであった。始めに「ムンバイーワランガル」間の移動では年齢層が近い青年達のグループというか、それぞれバラバラなのだがそんな感じの7人と移動をともにした。(インドの列車では代替というかに等身大しか知らないけど、三段ベット二つに二段ベット一つというブロックに分かれている)

 色々試してみたかったヒンデゥー語を使ってコミュニケーションをとったり、チャイを奢りあったりとなかなかに楽しく過ごせた。別れ際になぜかそこら辺で摘んできた花をもらいハグまでして分かれた。

 次に「ナグプールーボーパル」間の移動では酒好きのオヤジと酒を飲む事になった。本来インドの列車では飲酒は禁止されているのだが、酒飲みは万国共通で飲みたくなるものらしい。
 周りの男に手当り次第に声を駆け、無論私にも声がかかる訳で最初は拒んだのだが余りにもしつこいので承諾すると、コップの3分の1ウィスキーをつぎ水で割って一気飲みをさせられた。それがインドのベーシックな飲み方らしい。
 しばらく時間が過ぎた後に警察が通り過ぎ案の定見つかる訳だが、さすがというかなんというかインドな訳で、奥へ警官を誘い込み買収して事なきを得た。

 最後に「ボーパルーデリー」間の移動では大学生らしき女性と一緒になった。MBAだか何だかの試験を受けにいくという女性と二人きりとはなかなかに良いものだった。寝顔も可愛かった。うん、それだけだが、それだけだからこそ楽しかった。でも、「あなたは目が細いわね。」と言われた時はショックだった。


 こんな感じで案外楽しく移動できたのは幸運なのかもしれない。