実家に帰ると何だかもの凄く疑心暗鬼になる。この人達の親切は真意なのか?何か裏があるのではないのか?こうされる事は当たり前として私の中に浸透していく過程が実に複雑だ。かつては当たり前であったのかもしれないが、それがいつしか信じられなくなってしまっていたのかもしれない。
 それ以前に、本当にこの人達が血のつながった家族なのかという事すら疑わしく感じられてしまった。家族とは何なのだろうとすら思ってしまった。無言が流れる車内居心地の悪さが今になって思い出される。

 人を信用する事というのは忘れてしまうもので、覚えるものではないのかもしれない。