私地方論

今年の1月に撮影した田舎の写真をアップしました。お時間ございましたらご覧ください。 Must be taken carefully one's hometown.Kida Kinjiro(painter) taught.私が生まれたこの町を、丁寧に撮らなければいけない。そう画家の木田金次郎に教えられた。 http…

6月に大阪で開催した個展に寄せて書いた文章 2011年3月11日に起きた東北大震災及び、それ以前から続いていた電力会社の杜撰な管理体制によって引き起こされた原子力災害に伴い、日本のみならず世界が今一度原子力や放射能、核についての考え、思いを確かめて…

3.11以降の原子力発電を巡る人々の考えや思いとかは私がなんやかんやと言える事ではないので、私の感じた事などを少々。 福島には3度行っている。津波の被害や風評被害(現在では実害であるが)などの現状を見ていて、この先も撮り続けなければ行けないとい…

HPを更新しました。 1_WALLで提出したポートフォリオと展示風景を更新しました。おまけにHPを全面的に改良しました。よろしくお願いします。http://takahiro-yamashita.co.uk/ そういえば今回の展示に関して思った事などを書いていなかったなーと思い、また…

始めの数日は快晴だった。残りの半分以上は猛吹雪だった。日本海沿岸の気候が荒れ模様だった様に私の田舎も荒れ模様だった。 年末の忙しさから解放された気楽さにかまけて序盤は撮影をあまりしていなかったのが痛い仕打ちとなった。 今年はフィルムを持って…

私の故郷には原子力発電施設がある。そこで暮らしている人にとっては当たり前の存在であり、その中で働き、その傍らで眠るという事が日常だ。そして、かつての私にとってもそれは日常だった。 しかし、故郷を離れ暮らしていくなかで原発に関する社会的な意見…

正直私は原発に感謝すらしている。その存在がなければ私はあの土地を、あそこに住んでいる人々を愛おしく思う事なんて出来なかっただろう。 私は非常に希薄人間で終わってしまう所だったのかもしれない。原発があって、外の人間が何かガヤガヤ言っている事を…

原子力発電というものは意外と不便で常に全力疾走をしていなければいけないもので、昼夜問わず同じくらいの発電量を出す。(チェルノブイリで行われていた一時的に発電量を減らす方法もあるが、それは日本の法律で駄目ってことになっている。現実的には大丈…

今年の帰郷は実にあっという間だった。まず、帰郷三日目にして妹が新しく飼い始めた猫をのにはなってしまった所から始まった事にしておこう。実に申し訳ない気持ちで、とりあえず何故だか写真を撮る事を自粛した。暇を見つけては探しまわってみた。それは妹…

私の中で実家に帰るという事はもはや、「写真を撮りに行く」へと変わろうとしている。 原子力発電施設のある日常というものはあまり知られている様なものではないと私は思う。正直自分もそんなに意識をして暮らしてきた訳でもないし、そこで何か起きているの…

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五年以上も見ていない物や人を見た時の感情は相当なものだ。多分この感情は今の年齢ならではなのかもしれないが、それでももの凄い威力で私の心を叩いてくる。 時間というものに未だ人は抗えず、過去を思う事や、未来を夢見る事は常々繰り返しているにもかか…

この着物が初めて袖を通されたのは私の母が成人式に出席した時だそうだ。 その時私は多分2歳か3歳位だっただろう。そして、母の妹二人が順に袖を通し、確か祖母の従兄弟の娘がその次に袖を通したそうだ。そこから十数年後、従兄弟がようやく袖を通す時期とな…

エレベーターに残る香りはケープ。その匂いを嗅ぐだけで一瞬にして私の記憶は戻される。 ばあちゃんはスナックを営んでいた。正直もうかっているとは言えない様な寂れた店だ。そんなばあちゃんが店に出る時にはいつもやり過ぎ位の化粧を施し最後にケープで髪…

原発の入り口をとろうと思った。おまけに911以降、中の見学バスツアー的なのも廃止されてるのでさすがに中は撮れないし、せめて門と警備員の直接的なイメージを撮っておきたかった。 そう思い1.5キロ程あるトンネルをカメラを担いで歩き、出口辺りの「放射性…

実家に帰ると何だかもの凄く疑心暗鬼になる。この人達の親切は真意なのか?何か裏があるのではないのか?こうされる事は当たり前として私の中に浸透していく過程が実に複雑だ。かつては当たり前であったのかもしれないが、それがいつしか信じられなくなって…

まだ私が田舎にいた頃、よく行った所がある。そこは人がほとんど来る事はなく、一人でゆっくりする事の出来る所だった。 利用者の減少から約十年で航路は廃止され奇麗に整備された埠頭だけが残ったフェリー乗り場。今ではせいぜい釣り人か、車で遊びたい若者…

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私にとっては肉親であるというのは覆せない事実であるし、私自身もそうであると信じて疑わない。しかし、それが夫婦二人の話になると忽ちに崩れ、肉親から他人へと変貌を止めてしまうという事が、何とも不思議に思えてしょうがない。 私自身が女性と付き合い…

北海道は日本で一番テレビやビデオにかける金が一番多いそうだ。実際冬になってしまえば外は雪に閉ざされ出る事すらも億劫になってしまう。そうなれば必然的にテレビの前へと腰を落ち着ける様になってしまう。 長らく私もこちらに来てからテレビのある生活を…

東京に住んでいると結婚という事が(自分は特に)実に遠いものの様に思う。もし今、誰それと付合ったとしてもそれがそのまま結婚へとつながる様には思えない。しかし、あちら側では「恋愛→結婚」という図式があまりにも近い様に思う。 実際友人は自分と同じ…

自分はその建物から数キロと離れていない所で18年間生きてきた。それに対して何の疑いも持たず、そこにある事が当たり前だと思い過ごしてきた。そして、それはそこに住み続けている人達にとっても言える事だろう。ある者はそこで溶接工をし、ある者はそこの…

五年ぶりに会う友人に、友人の子供、妹の眉、いとこの成長、この全てに私は心底時間の流れを感じた。 私だけがなんだか年を取っていない様な気分でいて、それが一瞬にして勘違いであったと気づかされる感覚。心地良いものではない。どこか呆然とそれらを口を…

原子力発電、郊外型店舗、過疎化と少子高齢化、財政赤字、ユルキャラ、離婚率、私の田舎には地方都市における諸問題があふれている様に思う。ある意味、私は田舎を「ネタ」という意味で大変に良いところだと思い撮影を始めた。 しかし、いざ帰ってみると様々…

久しく泣いていない。誰か死なねーかなー。 こんな事を書いてしまうと大顰蹙極まりないであろう。そして、本心ではその様な事を思っていないのであろうという自己防衛をしておこう。こうやって僕は自分を守っているのだな。と今書いていて思った。 インドか…

生まれて始めてジャスコへ行った。北海道は札幌市の中心地からやや離れた場所にそれはあった。 中にはスターバックスに謎のファーストフード店、100円ショップと色々なお店がひしめいていた。地価には巨大な駐車スペースがあり、上には衣料品や、家電製品…

どの様な事も実際に体験してみなければ現実味を帯びてこない。そして、その事柄について真の意味で深く考えさせられる事は無い。 例えば両親の離婚。 今回の帰郷で一番インパクトが大きかった事柄だ。半年も前に離婚をしているにも関わらず、自分はその事を…

普段生活をする上で自分はあまりテレビを見ない。しかし、帰郷の際にする事が無いとテレビが付いていて自然とそちらへ気をとられてしまう。 普段見ないから稼動かは解からないが、こちらで見るテレビの印象と、あちらで見るテレビの印象が違って見えた。 画…