普段生活をする上で自分はあまりテレビを見ない。しかし、帰郷の際にする事が無いとテレビが付いていて自然とそちらへ気をとられてしまう。
 普段見ないから稼動かは解からないが、こちらで見るテレビの印象と、あちらで見るテレビの印象が違って見えた。


 画面の中には東京で生活しているであろうタレント達が所狭しと動いたり、喋ったりしている。それを見ているとなんだかうそっぽく感じてしまった。
 外は雪が風に乗って頬を打ち付けるほどの天候にも関わらず、テレビの中のタレント達は笑ってて、こっちで起きていることなんてお構い無しに「目黒川が!」とか良く解からないけれど、あっちの人間が聞いてもピンと来ないような事で笑いを取っている。

 津波警報の傍らでは歌手が歌い、タレントが進行を預けられ、仕舞いには津波情報が徐々に小さくなっていく。


 僕は常々テレビは神棚に似ているなと思って思ってしまう。家に着けば電源を入れソファーに座って流されている情報の大半を信じてしまう。東京で何が流行っているかとか、ここのコレが旨いとか、阿部内閣がヤバイとか、色々流してそれっきりで、それでも皆それを信じて毎日過ごす。
 戦争で、飢餓で、苦しんでいる人を尻目に米を食らい、残し、廃棄する。


 こんな事を書いている僕もかつてはテレビっ子。ゴールデンのタイムテーブルは頭の中にしっかり入っていたものだ。