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始めの数日は快晴だった。残りの半分以上は猛吹雪だった。日本海沿岸の気候が荒れ模様だった様に私の田舎も荒れ模様だった。
年末の忙しさから解放された気楽さにかまけて序盤は撮影をあまりしていなかったのが痛い仕打ちとなった。
今年はフィルムを持っていく量が少な過ぎて終盤苦労した。ポートレイト一人頭の撮影枚数が何故か8枚というあり得ない枚数だった。ポラだと大体ピントがきてないので不安になってしまうから撮ってしまう。
高校の美術の授業以来8年ぶりに木田金次郎美術館へ行った。ここでは大体木田金次郎の作品が様々な文脈や経緯で延々と展示されている様で、もれなくわが町の巨匠の作品を見る事が出来た。
記憶もおぼろげだった彼の作品を今になって見てみると、侵害極まりないが意外と良かった。いや、とても良かった。そう思わざる終えなかった。
油絵で描かれた故郷の風景は力強くそれでいてどこか寂しさを臭わせた。晩年に向けてその寂しさというものが色濃くなり、色使いも暗めになり、一人の人間の終わりが現れている様に感じた。
中でも印象深いのは海を描いたもので、そのいずれも波の表現に長けており吸い込まれる様な思いだった。
こうして私の町の巨匠の作品を見ると、こうあらねばならないという強迫観念すら芽生えてきてしまう。やらねばならない。そう、私が私の生まれ育った町を撮ろうと思い、始めた時の気持ちをもう一度まっさらとはいかないが、再度そんな気持ちを思い出そうと思えたし、そうあるべきだと5年撮っていて薄々感じていた事を教えられた。
木田金次郎美術館
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田舎で暮らしている友人達は変わっていない様で、結構変わっていた様に感じた。というか、俺が単純に気付いていなかっただけかもしれないが、色々と取り巻く環境が右往左往しているのが垣間見えた。ような気がする。
今年から妹が高校を卒業し、札幌の専門学校へ行く。母はあの大きな家で猫2匹と暮らしていくと思うと、どうにも、心の塩梅がよろしくない。