原発の入り口をとろうと思った。おまけに911以降、中の見学バスツアー的なのも廃止されてるのでさすがに中は撮れないし、せめて門と警備員の直接的なイメージを撮っておきたかった。

 そう思い1.5キロ程あるトンネルをカメラを担いで歩き、出口辺りの「放射性ナンチャラがあるので、入山禁止」とか書いてある立て看板を撮ったり、その横の道を撮ったりと牽制しつつじりじり攻めていったのだが、横目で見える警備員がまさかのトランシーバー仕様で一気に冷や汗が出る。

 何やら連絡しているので、これはまずいと思い先に声をかける事にした。


「すみません!入り口とかって撮っていいんですか!?」

「機動隊呼ばないと駄目ですね。」

「あーそっすか。ありがとうございます。」


 予想はしていたが迅速な対応に焦りを感じた。勝手に撮ったとしても機動隊を呼ばれ、撮るのを頼んでも機動隊を呼ばれるのだろう。今度は事前に問い合わせてみないといけなそうだ。


 入り口はトンネルとトンネルの間1キロくらいの所に二カ所ある。あの空間だけは何だか変な空気が流れている様な錯覚がする。

 
 短い方のトンネルを抜けた所に小さなバス停があり、そこに小さな張り紙がある。

「テロ警戒中 不振なものを見つけたら連絡を」

 こんな張り紙は東京に住んでいたら結構見るし電車でもアナウンスしている。しかし、あの場所で見ると何だか切実なものがある。マジでヤバいだろうという気がしてくる。