約一ヶ月ぶりの多摩川。梅雨がきてるのかきてないのかは忘れたが、最近にしては珍しく晴れ気味で嬉しい限りだった。だったが、仕事が終わって3時半についたのは何とも言いがたい。しかし、日は長くなってきているのを実感できる。


 ギター、ベース二つに、ジャンベと不思議なメンバー編成の人達に話しかけてみると、意外と歳が同じくらいで面白かった。大学時代のサークル仲間で久しぶりに楽器を持って集まったそうで、多摩川にみんなで来るのは初めてだが、これからはちょくちょく!と半分酔っぱらいながら気さくに話してくれた。おまけに缶チューハイをごちそうになってこっちもご機嫌だ。


 ふらふらと歩く。野球、サッカー、ラクロスカップル、家族、バーベキュー、いつもの多摩川だ。雲が空を占めていく感覚で遠くが見えなくなっていく、だから近くに寄って眺めてみる。


 ふらふら歩いていると何故かコントラバス(最初はチェロだと思った)を引いている人が見えてきた。初めて河でコントラバスを引いている人を見た。聞けば150万円もするそうで、エレキベースに飽きてきたので始めたそうだ。長髪で物静かそうな風貌がまた雰囲気を一層かもしている。後ろにそびえる一本の木と相まってなんだかそこが森の様にも感じた。
 最後に「また」と行って握手を求められたのは何だか照れくさかった。


 多摩川を撮り始めた頃は京王多摩川にばかり行っていた。今では上流下流と色々行っているのでめっきりくる回数も減ってしまったが、何故だかここには行き詰まりを感じた時にくる事が多い。というかほぼそんな時に来ている。私の中ではここがベーシックな多摩川なのだ。