晴天。羽田空港までの道のりは長い。国際線ターミナルが開港して間もない羽田がどうなっているかみたい。その一心で歩き始める。


 隣にやってきた外国人の家族はしきりに子供の写真を撮っている。多分インド人だろうと思い声をかけると案の定であった。NECのエンジニアとしてやってきた旦那は英語とヒンディーしか話せず、嫁さんは少しばかりに本が話せた。1歳位のこの名前はスーニー(多分)だ。川崎側からやってきた彼らに必死のヒンディーでコミュニケーションを試みるが如何せん語彙が出てこない。
 苦笑いを浮かべながら必死に受け答えをしてくれる彼らを見ていたら勉強不足が歯痒くなった。


 陽の光が眩しい。傾くのが早くなったからだろうか。まるまると太った野良猫がいる。あまりにも人懐っこいその猫はホームレスが世話をしている様で、すぐ裏には隣り合わせにホームレスホームがある。
 一人はせせこましく周りを片付け、もう一人は水を組に水道へ向かった。しばらくして戻ってきた彼が「あっちのほうが沢山いる。」私に伝えてきた。それは多分その猫を異常な程に触っていた私が少しだけ苛立たしかったからだろうと勝手に解釈している。


 しばらく歩いていると足下にLの野球ボールが転がっていた。それを近くの子供達に渡して、バントゲームの仲間に入れてもらった。小学4年だという彼らはもはや糀屋の小学校のレギュラーだそうだ。
 ひとしきり遊び写真を撮って羽田空港に向かい歩き始めた頃「名前はー?」と聞こえた。「山下だ」と答えた後の一言が「怪しい人?」ウィットにとんだ私の返答は「少しだけね!」

 その後の沈黙には耐えられず「冗談冗談www」とか言っておいた。そんなもんなのかねー8年前はどうだった?などと色々考えたがしょうがないとしか言い用が無い。


 二つの出会いが大きな時間のロスへと繋がり、日がとっぷりと暮れ始める。羽田空港天空橋近くまで広がり、その存在感は以前に増して威圧的なものへと変わっていた。
 羽田空港にはたどり着けなかった。


 その後はTAPギャラリーへお邪魔した。私より少し上の方々が精力的に作品を発表、企画、出版しているギャラリーです。新メンバーも絶賛募集中だそうです。興味のある方は是非ご連絡もしくはギャラリーに顔を出してみてください。メンバーのどなたかが必ずいらっしゃいます。
http://d.hatena.ne.jp/tapgallery/
謝罪
 その後のTAPギャラリーでは酔っぱらい過ぎてあまり記憶が無い。多分失礼があったと思うのでこの場をかりて謝罪を申し上げます。
 大変お騒がせしました。申し訳ございません。