2011年4月13日福島県いわき市小名浜

 津波によって崩れた建物を支える様に咲き始めた桜の木。ありきたりだが、どこか希望めいたものを感じた。しかし、1ヶ月後には更なる余震によって建物は完全に倒れ、桜の木もろとも瓦礫へと変貌していた。
 あの時抱いた希望も続く余震によって折れてしまうというのはどこか人の心を写している様で怖いと思ったが、私は福島に実際に住んでいないし、話す人からは前向きな言葉だって出てくる。
 外の人間の尺度で同情したり、怒ったり、悲しんだりするのはよそうと思った。