出会ってきた全ての一瞬に対して僕は敬意を払わなければいけない。そして、継続しうる全てのものに対しても同等の敬意を払わなくてはならない。


 今日出合った少年の釣った魚に対しても、魚を釣るために犠牲となったミミズに対しても感謝をする。もちろん、小さな太公望に対しても感謝をしている。(おこずかいは500万だよ!)その一瞬に出会う為には努力など入らず、ただただ偶然と言う幸運を祈るだけだ。いや、祈らずともし前ガそこへ導いてくれる。

 川なのに森みたいな道なき道で迷った挙句Uターンをかまさせてくれた自然にはいっそうの感謝をしたい。あの森のお陰で僕は戦争体験談を聞く事が出来、彼の芸術を拝見する事が出来たのだから。

 彼の言葉をメモしておく。

 「今の子供はわがままで、生意気で、我慢が出来ない。」
 「米なんて無かった。芋か、粟だ」
 「教師に殴られるなんて当たり前だ。黒板消しを、チョークを投げられるなんて日常だ」
 「朝4時から、夜10時まで鉄砲を作るために立川の工場で働いた。そこまではもちろん徒歩だ。40分かかった」
 「終戦間近、ロシア方面へ出兵する予定だったが、船がもう無くて行かずに済んだ。」