多摩川はいつもの陽光に包まれていた。橋の下ではなにやら河川工事真っ只中で、その少し上流にはホームレスの豪華な家が3.4件軒を連ねていた。その中でも一期は目を引く犬屋敷。改めて取材に行く事にする。

 木に登り何かの指標を撮影していると、下で飯を食っているおばちゃんがたに微笑まれる。

 是政付近様々な匂いで溢れている。日に照らされて乾いた草の匂い、それをかき消すようにsuntryの工場から香り立つコーヒーとお茶のほのかな香り。加えてし尿処理場からはわずかながらの糞尿臭。
 この匂いを写真で表現する事は不可能な事だろうと悟る。

 し尿処理場を写したとして、それがし尿処理場だと確認させるにはやはり、それがし尿処理所だと口頭もしくはキャプションにすがるほか無く、見た人間がし尿処理場だと何も無しに認識する事は不可能なのではないのかと思う。
 もし何も無しにし尿処理場だと解かる人がいるならば、し尿処理場マニアか、そこら辺に住んでいる人意外に他ならないであろう。やはり、見学させてもらうべきだ。そう思う。


 今日現像している最中にタンクが空いた。空いて観光した。プリントでカバーできるかは不明。ベタを見るほかなさそうだ。多分無理。