何もする事が無い訳では決して無いはずにも関わらず、youtubeにてかつてのアニメばかりを見ていた。


 機動戦艦ナデシコ

 僕が田舎のクソ寒いなか、集合住宅でストーブの前で見ていたものだ。かつては全てを観るほど熱中はしていなかったが、何故あの時僕がこのアニメを見ていたのか、惹かれていたのかが何となく今更になって解かったような気がする。
 勿論はじめに言うべきは「萌え」であろう。登場人物の半数を占めるキャラクターは女性だ。千差万別どの属性の人間にも当てはまるようなある種エロゲー的な要素を孕んでいる。しかし、本質はそこではなく道徳的な部分に集約される。

 謎の宇宙生物だと思っていた戦争相手が、有人であり、自分達と同じ人間だとわかったときの主人公の思い。葛藤。どちらにも正義があり、そして、無い。そういった戦争の不毛さを説いているのではないか。


 ある種相手国のアニメ扇動作戦の様なものが何故か漫画の20世紀少年とダブってしまったり、戦争が仕事と言うOLチックなナーナーな雰囲気もまた見ものだろう。


 カードキャプターさくら

 20世紀最後のセル画アニメらしい。勿論コレこそ「萌え」全快である。まだ途中までしか見ていないので真相ははっきりしていないが、様々な愛の形が集約されているのではないだろうか。ヘテロ的愛、同性愛、兄弟愛に、家族愛、友情。そして、特筆すべきはやはり汚い言葉が一切使われていないという事であろう。虐めもなければ「死ね!」などの言葉も出てこない。
 優良アニメの金字塔だ。

 そして、何よりテンポが良い。そして、このルーティーンぶり。毎回毎回事件がおきて、解決して、カード手に入れて目出度し。観ていて飽きてくるから、あんまり尾を引かないスッキリ仕様といった所だろう。


 他にもいくらか見たが、やはり20世紀アニメ特に90年代は全盛だったなと、それ以前をあまり知らないうえに、青春期を過ごしていたという影響もあるだろうが明確だと思い込んでいる。
 21世紀のアニメは外ズラばかり整えた感じで、核心に迫っていないような気がする。いや、見てないんだけど、そんな感じがする。