河には誰も居ない。居るのは精々ホームレス位だろう。それほどまでに未開拓の地は、ある意味で多摩川沿いにしては新鮮さを受けた。


 サックスを吹いていた彼は、来週に発表会だというのにまずまずの出来であった。が、それは本人が一番感じているのだろう。そして、彼は趣味で写真を撮るという。私の「とらせてください」と言う言葉に、「撮られるのって何だか恥ずかしいですね。」と答え、承諾してくれた。


 少年はサッカーをしていた。一人でモクモクとゴールにシュートを放っていた。一緒にやらせてくれというと訝しげな顔をされた。やはり怪しいだろう。こんな風貌の人間が「俺ゴールキーパーやるー!!」っていきなり言ってくるのだから。私でも怖い。が、無理やり参加。

 結局撮らせてくれなかったが良い運動にはなった。


 天気も悪く何も無く、下流では花火大会という事が関係しているかは解からないが、人が少ないと印象であった。

 久しぶりにカメラを変えた。何だか不思議な感じだった。