Son of a BIT

Son of a BIT

 吐き捨てる様なウェブとは正反対に、見る事を余儀なくさせるというのはやはり金を払って買ったという事が要因なのかもしれない。しかし、それを抜きにしても序盤の一群は見入ってしまう。溢れる情報は掴み所が無く都市の普遍性という一言では語り尽くせぬ何かがある。が、私にはその何かがいまいち解らないのが現状だ。
 終盤に従ってそのものに対しての執着心の様なものが強固になる下りも今後の変化を臭わせるあたりがそこはかとなく恐ろしさを感じさせる。

 そして、やっぱりインクの匂いが凄かった。


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 以前住んでいた所に住んでいた作者。以前教わっていた人間が同じ作者。以前撮影していた所を撮影している作者。並々ならぬ共通項を持っている。という事はさておいて、この写真郡の違和感は何か。

 一つに陰が複数あるという事であろう。スタジオワークではタブーとされている事であり自然界においてあってはならない映像。それに加えてパンフォーカスというカメラであるからこその映像。この二つが大きな違和感の要因だと私は思う。
 その映像から生まれる見る側の不信感というものを見事にかき立てる作品だと思う。



 この二つの作品は価格帯も同じで同時期に発売されたという事を抜いても、後々対になって語られていく作品では無いだろうか。そして、この二つの作品は日本写真史においてある一つのターニングポイントになる事だろう。と、おもった。