雪。

 昨年の分も一気に降ったのではないのかと思う程の豊富な量だが、あまり奇麗とは言えず、どちらかというと汚らしいものだ。しかし、人々はここぞとばかりに戯れる。そして、私もその内の一人だっただろう。


 写真を撮りたいという友人に誘われ寒い多摩川へ仕事帰りに付合わされた女性は、その友人を眺め、その友人はボートや南谷と色々と撮っていた。私の軽快な声掛け運動のかいあってあっさりと承諾してくれた。
 透明なビニール傘と、白に映えるオレンジ色?の傘が何とも東京らしさを感じさせた。


 雪だるまを一心不乱に作る高校生達。まさに青春。2対2の男女混合の彼らは素手にも関わらず笑顔で雪を転がしていた。大きすぎてどれが頭になるのか解らない雪玉、泥や石や草にまみれた雪玉だが、彼らにとっては素晴らしきものなのだろう。
 正直羨ましかった。ああやって楽しく高校生活を過ごせていたら私も今より少し変わった人間になっていたのかなと。


 足跡がある。橋の上から見るとそれはハートの形になっていて、何とも和ましいモノだった。思わずその光景を想像してします。色々想像できてしまう。

 男同士で上で声を掛け合いながら。カップルで女性の指示で。一人で黙々と。いずれにしろそれは何とも微笑ましい光景だろう。


 それにしても一様に皆テンションが高かった様に思う。やはり東京人は雪敏感。