風があまり吹いていない晴れの日。

 二子玉にある川カフェなるおしゃれレストランでは結婚式も挙げれるらしい。残念ながら宴は終わっており花嫁を見る事は出来なかったが、出来上がっているであろう女性がぐったり歩いているのは確認できた。

 先日の雨の影響かどうかの確認はとれていないが、川縁がベリッとはがれて埋め立てに使用したであろう凹凸の激しい石の入ったズダ袋風の何かが顔を覗かせていた。そして、その奥の方ではけたたましい音をスピーカーから流し踊り狂う集団がいた。俗にいうレイヴというものであろう。生ビールまで売っていて思わず向かい酒をする所をグッとこらえて、先に進む。
 グラウンドでは少年サッカーの試合が行われている。それを遠巻きに見るフルパノラマは秋空特有の雲と相まって実に壮観だった。都内で地球の丸さを体験できる所は少ないだろうが、その少ない中の一つとして多摩川は外せない。

 しばらくすると駅と駅の間の住宅地。モデルルームが立っている少し先あたりでいくつかバーベキューをしている集団があった。その中の一つ、いくつかの家族が集まり子供達が野球をし、土手をそりで下っていた。
「変なのに使わないですよね?」
 という質問に「いやいや」と返答になっているかどうか解らない答えを返して撮る。今時珍しいというか、酒が入っているから故か、快く撮らせてくれるのはやはりありがたい。

 バーベキュー集団も一段落して、しばらく何も無い所が続く。橋の下で遊んでいる子供は素直に撮らせてくれた。ようやく教習所が見えてきてどっと疲れが襲う。と同時に酒も抜けてきた様な気がした。飲み過ぎは良くない。

 今度は大学生くらいの集団が無数にあり、もうどうしようもない感じで執り行われるバーベキューはあまり見ていていいものではない。いつも来たら撮っている歯医者がついになくなってしまった。一年のうちに4.5回し蚊来れなかったのを今更悔やんだが、それも流れなのだろう。


 それにしても、友人二人と多摩川を歩きながら撮ったのは始めてだ。人と一緒に撮るなんてもう無いかもしれないので楽しんだ。案外良いものだなと思った。