約二ヶ月びりに多摩川へ行った。ソラは晴天、気温が低いにも関わらず左岸は相変わらず多くの人がいる。

 六郷土手辺りの護岸工事が激しさを増し、ホームレスも隅に追いやられ、悲しくも悔しくもなさそうに昼間から宴を広げていた。少し行った大鳥居辺りにはヨットハーバーが小さいながらも出来ていて驚いた。コンクリート壁に書かれている意味の無いであろう文字の数々には苦笑ものだ。
 その辺りは様々な鳥が、と言ってもあまり詳しくはないのだが結構いる。そんな所で鳥に餌をやる人間も多く。そこに群がる光景は結構圧巻だ。そんな最中一人の少女もまた例に漏れず餌をやりにきた様だが何だか様子がおかしい。いや、狂っていると言ってもいいと私は思う。

「カモメコノヤロォー!オメーらの食わせるエサじゃネーンだよ!!」

 ガクブルを通り越して、その舌ったらずな叫び声とふくよか過ぎるその容姿に苦笑いだ。それにしても酷いと、そう思うほかなかった。


 そんなこんなで結局、六郷土手〜河口、と歩いたにも関わらず誰一人にも声をかけずにただ黙々と歩き、眺めて終わったリハビリテーションであった。