空は晴れ渡り清々しいが、私の体調は夜勤明けでとてもだるかった。川崎付近は晴れていようが人はまばらで、それでもサッカー少年達は元気で、それだけでも十分だった。


 そのカップル達はスラックラインと言われる競技を楽しんでいた。言ってしまえば綱渡りをしていた。スラックラインとは山登りをする人達の間で広まった新しいスポーツ?で、強者にまでなると崖の上でもやってしまうという、世界丸見え的な仰天スポーツだと私は勝手に思っているのだが、そんな感じのものだと教えてくれた夫婦は結婚して三年喰らいになるそうだ。
 この近くに住み、土日には多摩川へ来ているそうで、少し前までは仲間が揃ってバーベキューなんかを頻繁にやっていたそうだ。
 どことなくアジアを感じさせる(ヒッピー的な)風貌に何故だか安心して私も色々と話してしまった。彼らの周りの方もインドへ行く人が多いらしく、何だか好印象で楽しい一瞬を味わえた。そして、スラックラインは私には無理だという事が解った。ガクガクってなる。


 川崎の競馬練習場で赤ちゃんの死体が見つかったという事をニュースで見て駆けつけてみたが、何一つ変わった事はなく、ただ警察らしき人が聞き込みをしているだけだった。正直残念だったが、意外にも周りの人もその出来事を知らないという事で、納得出来た。
 もの凄く不謹慎だが、そういった事が起きてもおかしくない空気を以前からあの場所では感じていて「やっとか」という気持ちになってしまった。多分公になってないだけで他にもあるのかもしれないが、何故だかこの出来事に私は納得してしまっている。ごめんなさい。