六郷土手の多摩川岸には多くのホームレスが生活している。その中の一人との会話で、

「頭ごなしに出て行けでは無く、日当8千円位の仕事をさせて、その中の5000円を国がその個人に渡さずにどこかで貯めて、出て行く時に初期費用の様にして渡すべきだ」

 と言った内容のことを話していた。若干納得したのは「俺達に全額渡しても飲んで使っちまうよ」と言っていた所だ。それはごもっとも!実体験から出た言葉はやはり確実だ。「らくしっちゃってるんだから」だってさ。


 こうやって歩いている最中で出会う人達に話を聞くと言う行為、それに伴う感情の様なものが、形容しがたい多摩川象をおぼろげではあるが、表出させる一つの手なのかもしれない。
 そして、そこから出てきた感情や、そのイメージを写真というメディアを使って表現、提示していく事が重要なのだと思う。

 コレはやり難儀で、テーマ自体にインパクトが無く続けていく事、時間をかける事で深み付けていかなければいけないのかもしれない。


 羽田までの道のりの最中目に付くのは空港の空き地だ。コレによって川との間に空間が出来き。とてももどかしかった。謎のアンテナにトンネル。それを抜けたらそこはもう空港だった。主にコンクリートで、時間も時間だけに人は歩いていなく。ゴーストタウンです。と言っても疑われないであろう風景だった。

 でも、やっぱり多摩川は良い。