季節と言うものはソロソロと忍び寄り、気付かぬうちに正体を現すものだ。しかし、日々目を凝らし、耳を澄まし、敏感肌な私・・・そんな感じで、日常を送っていたら気付く事は容易なのではないのかと思う。

 生活の環境にもよるかもしれないが、そうやって生活をすることで日々違う顔を持つ自然環境に少しでも歩み寄る事が可能なのではないのだろうか。


 夏は終わり秋になる。この季節は好きです。


 空はウロコ雲で覆われ、隙間から覗き見る太陽もなにやらいつもより赤く感じ、草は徐々に生気を失い色を失っていく。虫達は最後とばかりに泣き叫び、次の季節の虫達が威勢良く鳴き始める。
 土を踏むその足の感覚は少し硬く、陽はそそくさと姿を消す。


 人々はその自然の中に身をゆだね、風を、陽を、音を味わうだけで、それで良いと思う。