朝海陽子
「sight」

http://konicaminolta.jp/plaza/schedule/2008january/gallery_b_080126.html

 違和感を感じた。それは不自然ではないという事。不自然ではないという事の不自然。

 人は大概カメラを向けられると、カメラを向けられているという事を認識すると、何かしらのアクションを起こすものだ。しかし、この写真にはそれらのアクションはあまり感じられない。
 それはやはり、別のものに集中しているという事であろう。それはAdam Broomberg & Oliver Chanarinのtrustを感じさせる。

 が、この作品の肝は人の表情でもある。が、その人間の部屋の表情というところにもあるだろう。私は人間の住むところに大いに興味があるので、先にそちらを見てしまう傾向があるのだが、そこだけを取っても見応えがあるものだと思う。

 こうすれば少なからず人の「素」の表情をスチールカメラでとらえる事が出来るのだとハッと気づかされた。